水を得たさかな

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”やりがいの無さ”は人を壊すという話と、すでに壊れてしまっている人へ

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シーシュポス(シジフォス)の労働
をご存知だろうか。
神々の怒りを買ってしまったシーシュポスは、大きな岩を山の上まで運ぶという罰を受けた。
大きな岩を山の上まで運ぶと、岩は山を転がり落ちる。
そして再び最初から岩を運ぶ……。何度も何度も。

 

日本で一般的に考えられている”地獄”にも同じような刑罰がある。
賽の河原の石積みだ。
河原で石を積み上げて、積み上げると鬼がやってきて石を崩す。
そしてまたいちから積み上げる。これを延々と繰り返すのだ。

 

更にはこれを実際に囚人に課したのがナチスドイツ、
受刑者に穴を掘らせ、それを目の前で埋める。そしてまた掘らせる……。

どれも無意味な作業を延々と繰り返させるというおそろしい刑罰だ。

このように「続けても無意味だ」「何も得られるものはない」と思っている作業を延々と繰り返すことは、
人間に対して大きな精神的苦痛を与えるということが知られている。
この状況に追い込まれれば、人の心は簡単に壊れるだろう。

 

何が言いたいのかというと、
これと同じようなことがその辺の職場で普通に起こっている
ということだ。

誰もろくに見やしない資料を延々と作り続け、
興味もないやつらに読めばわかることの説明を求められ、
レビューでは本筋でもないところにツッコミを入れられ、
どうせ後で一度も見やしないのに作り直し。
というか、そもそもこの資料に書いてあることは、本やマニュアルにすでに書いてあること。資料にする意味すら無いよね。
それで結局、その資料は今どこにあるのだろうか?ドブの中ということか?

 

こんな感じの仕事をやらされた私は1年もたたずに壊れた。
周りの奴らはどうしてこんな仕事に耐えられるのか理解できなかった。思考が停止しているのだろうか。

 

精神に異常が生じた話


精神が壊れるとき、自律神経失調症→うつ状態→うつ病 という流れらしいが、
私はこれを実際に体験して知った。

まず身体的異常が出始める。

  • まぶたの痙攣や耳鳴りが頻繁に起こる 。
  • 外に出るとやたら太陽が眩しい。どうやら光の調整ができないらしい。
  • 呼吸が浅すぎて酸欠になる。朝から仕事始めて午後にはもう息が苦しい。
  • 肩や首のコリが異常。手が震えてしまう。

この辺りが第一段階だっただろう。自律神経がイカれ始めている。
この段階だとまだ本能からか「どこか遠くへ旅行に行きたい。」とか、
性欲が強くなり「とにかく異性と触れ合いたい。」とか考え始める。

同じような状態になっているやつにアドバイスがあるとしたら、
この段階でそれらの欲求に素直に従え。
それらは心の悲鳴だ。今すぐ退職届を出してでもその場から逃げろ。
彼氏彼女がいないなら風俗店にでも行って癒やされろ。

 

私はこれらの心の悲鳴や身体的異常を
”いま忙しいから”とかいう訳のわからない理由で無視してしまった。

その結果、第二段階へ突入。

とりあえず、あったはずの性欲は消え去る。
エロ同人が活字の本と同じようにしか思えない。ちんちんが勃たなくなったのは本当にビビった。

ここまでくると思考にも異常をきたすので、もう自分ではどうすることもできない。

  • 他人が自分の持ち物と似たようなものを持っていたのを「盗られた」と本気で信じる。
  • イライラする。舌打ちが止まらん。人とすれ違うだけでイライラする。俺の視界に入るな。
  • そして記憶力の異常な低下。車で出かけて車を忘れて徒歩で変えるという事件が2度もあった。更には同僚の名前が思い出せない。誰でも起こりうるちょっとドわすれとかではない。後で思い出して「あーそうだった」となればいいが、一日中考えても1ミリも思い出せなかった。

私の場合はここで心療内科に行った。
車を忘れた事件がさすがにおかしいと感じたからだ。
チェック式のアンケートとか聞き取りとかされて、あなたは鬱だと告げられた。

これで一安心、、、ではない。
大体この段階まで行ってしまう人間は、クソ真面目な馬鹿か会社の洗脳を受けているやつなので、
自分が鬱であるという事実を受け入れられない。そんなはずは無いと考える。

処方された抗うつ剤も「私を薬漬けにして医者が儲けようとしているのではないか。」と考えるだろう。
もう思考が普通ではないので何も信じられないわけだ。

すでにこの状態になっている人間にこの言葉は届かないだろうが、
とにかく医者の言うことを聞け。
そしてネットやお前の周囲の人間(家族も含む)の”素人”の言葉には耳を貸すな。

これには私のこのアドバイスも含まれることになり矛盾が生じるが、
大体そいつらは今の私のように自分の過去の経験から、”こうすると良かった”,”○○したら治った”を言っているだけだ。お前の今の症状を見てくれているのは医者だ。

 

私は、とりあえず診断書が出てしまったので上司に提出した。
このときの上司は非常に理解があり、明日からでも仕事を休むように言われた。
まあ、単純に会社的に困るからという利己的判断からか、これまでに同じようなやつが何人もいたのかしらないがとりあえず助かった。もう自分自身はまともな思考ではないので「なんか薬まで出されたけど鬱では無いと思う。」とか言っていた。

とりあえず薬は飲むことにした。
抗うつ剤にも種類がある。私が飲んでいたのはサインバルタだ。
大体の抗うつ剤には副作用、そして、依存することにより薬を飲まなかった際に生じる離脱症状というものがある。
サインバルタは離脱症状が酷く、さらにカプセル錠のために減量が難しい。辞めるときには苦労した。

こう聞くと薬を飲むのを躊躇うやつもいる。当然だろう。
だがしかし、さっきも書いたがとにかく医者の言うことを聞け。
離脱症状もちゃんと言うことを聞いて飲み続けていれば出ることはない。
少し困るのは完全に薬を辞めるときだが、それは精神的に回復した後のお前がうまくやってくれる。
今の状況を少しでも楽にしたいなら、薬だろうとなんだろうと頼ったほうが良い。

 

ちなみにこんな状態のときも休職はしなかった。
なんとか出勤はしていたが、当然何もする気にはなれなかった。

おかげで私は事業所の誰に監視されるわけでもない部屋に放置状態になった。
なので半年くらい社内ニートをしつつ、ネットの記事を漁ったりして、ひたすら考えた。なにかを。ときには公園を散歩したりして草木を愛でたりしていた。


そして、そうしているうちにわかった。なにかの結論に至った。仙人になった。
何がわかったのかはわからないが、なにかのパラダイムシフトが起きたのだ。
そして今のような私になってしまったのだ。この国は異常だという。

 

結局、精神的問題を回復に向かわせるのは、
自分のモノの見方を変えること、考え方を変えることなのだ。
そのためには、とにかく落ち着いて考えることができる時間が必要、
私はそのための空間があったおかげで1年ちょっとでこの状態を抜け出すことができて薬も辞めた。その1年後、会社も辞めた。

 

最後にひとつ、これは持論だが、
自分の身体的、精神的異常についてググったりして「あーこれ当てはまってんなぁ」とかやっているやつ。

それもうすでに何かの病気なので医者に行ったほうが良いぞ。

 

おわり。

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